院長の季節だより40 「古事記時代の竹笋(たけのこ)といえば、真竹(まだけ)のことです!」
2019年5月16日院長の季節だより42 「古来日本では、紅(くちべに)は「紅花(べにばな)」の色素!」
2019年5月28日写真は、宮内庁HPから転記した 「小石丸の繭」です。
2019年5月21日(火)から、二十四節気は小満(しょうまん)の初侯にかわり、七十二候は二十二候の「蚕起食桑(かいこおきてくわをはむ)」となります。
立夏から約15日たち、天の陽気が満ち始める頃で、自然界では生物がすくすくと成長し、生命力や繁殖力に満ち始める頃でもあり、「小満」と呼びます。初候では、孵化した蚕(かいこ)が、桑の葉を勢いよく音を立て食べ始めるころとなりました。
蚕の繭から絹(シルク)をつくります。明治初期、国を挙げて量産し、良質の生糸を欧米に輸出し莫大な外貨を獲得することで近代日本を支えました。世界遺産となっている富岡製糸場がその一つです。
養蚕は戦後急激に衰退し、現在では養蚕に関係する蚕や桑畑を生活の場でほとんど目にすることはなくなりました。桑畑は地図記号になるくらい日本のメジャーな風景でしたが、現在は絶滅風景になりつつあります。そんな中で蚕の種類と言われてもご存じないと思います。
蚕の種類で「小石丸(こいしまる)」とは、日本古来在来種で、その特徴である俵型に窪んだ、真っ白で小さくかわいい繭です。極細・毛羽立ちが少なくなどとても良質ですが、一つの繭からとれる量が少なく・病気に弱く飼育が難しいことから市場性はほとんどありません。
また、宮中では近代以降、歴代皇后が養蚕を行っておられ、上皇后美智子様の意向で「小石丸」の飼育がわずかながら継続されておられます。
Photo 「小石丸の繭」宮内庁のHPより